December 10
「まいどー、キジトラ急便でーす」 「はいどうも……あれ」 土曜日の真昼間に届いた、やたら縦長の段ボール箱には 『佐藤ケイちゃん』 と書かれた伝票の下 わざわざ赤マジックの直書きで 『めぐむは開けちゃダメ!』 明らかにうちの母親の字だが これは何の企みだろう…… * * * 『ああ、それならうちにあるわよー?』 めぐみクンのお母さんの言葉は まさに天の恵みだね! 『もううちじゃ使わないし、近々送るわね♪』 やったあ、お母さん大好き☆ あ、でもでも、めぐみクンにばれたら大目玉食らいそうだから 内緒にしておかないと 『それなら大丈夫! 品名は『パソコン部品』にしておくから』 うんうん、それなら大丈夫だね♪ * * * 「で。この巨大な『パソコン部品』は一体ナニモノですか」 「うーんと、えーっと、ベアボーンキット?」 「どんだけでかいベアボーンですか。余りにも怪しすぎる。中を検めさせてもらいます」 「わーん、ひどいよめぐみクン!」 べりべりべり 「……ツリーだ」 「ツリーだ♪」 それは、幼い頃に実家のリビングの一角を占領していた 高さ1mほどのクリスマスツリー 古めかしい電飾と、なんだか灰色っぽくなった綿の雪が しまい込まれていた月日を物語る 「ずーっと欲しかったんだけど、結構お高いじゃない?」 「これを、ここに飾るんですか」 「だってクリスマスにはツリーが必要だよ!」 断言されてしまっては 反論のしようがありません 「でね、プレゼントをこのツリーの下に置いておいて、クリスマスの朝に開けるの!」 「靴下の中じゃないんだ」 「だって靴下じゃ入らないじゃない!」 「どんだけでかいもんを頼むつもりですか」 というか、大学生にサンタは来ないんじゃ……? 「というわけで、プレゼントは1000円以内ね♪」 「そうきたか……」 ま、そのくらいならつきあいましょう さて、1000円以内で相手をぎょっとさせるプレゼントはないもんか…… Story by seeds
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やっぱりクリスマスにはツリーでしょう! 実家にもかつては1mほどのツリーがあったんですが、ちゃんと出してたのは小学生のうちくらいでしたかねー。 プレゼントはツリーの下か、はたまた靴下の中か。時代や地域によっても異なるようですが、靴下だと大きいものが入らないから、ツリーの下の方がでかいものを狙えるかも(笑) |
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